2017年03月06日

白衣を着用して行う仕事が増えてきた理由

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さまざまな職種において、明らかにどのような業種に就いているのかがわかるユニフォームを着ている人はたくさんいます。昨今、白い医療用のユニフォームを着ている人が多くなってきていますが、それには社会的な構造の変化があります。

かつてはこの人たちが着ていました

白衣と言えば、かつては医療従事者の中でも看護婦と呼ばれる人たちが着るのが当たり前でした。医師が着るのとはまた違った形で、ワンピーススタイルでカラーは文字通り白、献身的なやさしさや、安らぎを与えてくれる人たちの象徴といったイメージのユニフォームだったと言えるでしょう。

そのユニフォームそのものに変化が生まれ始めたのは、看護婦と呼ばれ、女性だけの仕事という考え方に変化が生まれ始めた頃です。男性が看護の世界に飛び込んできたことから、女性だけではなくなったために看護師、あるいは看護士という呼称が用いられるようになりました。

必然的に男性にワンピースは無理なことから、ツーピースのパンツスタイルが登場してきます。

医療分野以外での着用が増えました

一方で、医療関係者以外の人たちが着用することも増えてきました。その最たる分野が、介護です。介護職の人たちの業務内容は、看護職と相通ずるところが多くあり、動きやすさが求められます。そのため、看護の現場で瞬く間に浸透していったツーピースのパンツスタイルが定着し、介護現場で着用されています。

言ってみれば、看護以上に動きやすい服装が求められるのが介護現場だと言えるでしょう。デイサービスにおいては、利用者の送迎で車の運転を行うこともありますし、身体介護が求められる入浴や機能訓練を行う際には、女性ならワンピースよりもパンツスタイルの方が、断然動きやすいと思われるからです。

変わりゆく社会情勢から増える一歩へ

医療機関や介護施設によっては、白衣が与える緊張感を取り除くため、あえて着用しないところもありますが、医療や介護の現場での動きやすさを重視して作られた服だけに、今後もますます着用する人は増えていくと予想されます。

それというのも、日本はこれから、高齢化社会からさらに一歩踏み込んだ未知の領域となる超高齢化社会へと突入していくためです。今後はこれまでにも増して医療も介護も人手が求められるようになりますので、動きやすさを重視して作られたユニフォームに対する需要は確実に増していくでしょう。

医療と介護の境目があやふやになりやすい高齢者相手の場合、どちらにも対処できるように動きやすい格好をすることが、仕事をこなすのに欠かせません。